20ドル札の良い話♪

新垣 幸之

2011年05月14日 23:37

20ドル札の深イイ話♪


[20ドル]

男は、今日も仕事で疲れきって、遅くなって家に帰ってきた。




すると、彼の5歳になる息子がドアのところで待っていたのである。



彼は驚いて言った。


「まだ起きていたのか。もう遅いから早く寝なさい」


「パパ、寝る前に聞きたいことがあるんだけど」


「なんだ?」


「パパは、1時間にいくらお金をかせぐの?」

「お前には関係ないことだ」


安サラリーマンである父親はイライラして言った。




「なんだって、そんなこと聞くんだ?」



「どうしても知りたいだけなの。1時間にいくらなの?」男の子は嘆願した。




「あまり給料は良くないさ…


まあ20ドルくらいだな。ただし残業代はタダだ」




「わぁ」男の子は言った。



「ねえ、パパ。ボクに10ドル貸してくれない?」




「なんだって!」疲れていた父親は激昂した。




「お前が何不自由なく暮らせるためにオレは働いているんだ。


それが金が欲しいだなんて。


だめだ!早く部屋に行って寝なさい!」




男の子は、黙って自分の部屋に行った。


しばらくして、父親は後悔し始めた。




少し厳しく叱りすぎたかもしれない…。




たぶん、息子はどうしても買いたいものがあったのだろう。




それに、今まで息子はそんなに何かをねだるってことはしなかった…。




男は、息子の部屋に行くと、そっとドアを開けた。



「もう、寝ちゃったかい?」彼は小さな声で言った。




「ううん。パパ」男の子の声がした。


少し泣いているようだ。




「今日は長いこと働いていたし、ちょっとイライラしてたんだ…ほら。


お前の10ドルだよ」




男の子は、ベッドから起きあがって、顔を輝かせた。




「ありがとう。パパ!」




そして、小さな手を枕の下に入れると、数枚の硬貨を取り出した。




父親はちょっとびっくりして言った。


「おいおい、もういくらか持ってるじゃないか」


「だって足りなかったんだもん。でももう足りたよ」



男の子は答えた。




そして、10ドル札と硬貨を父親に差しのべて言った。




「パパ。ボク、20ドル持ってるの。


これでパパの1時間を買えるよね?」